やりたかった仕事がたまたま世間ではブラック業界と呼ばれている、という場合なら忙しくても仕事を楽しんだり頑張ったりする事ができると思います。
ただ、やりたかった仕事ではないのにブラック業界に入ってしまうと毎日が辛くてしょうがないはずです。
どうせならホワイト業界で働きたいとは思いませんか?
そこで今回は、一般的にはホワイト業界と言われている化学業界について、現役化学メーカー研究員がその実情をご紹介します。
この記事はこんな人におすすめ
- 仕事を辞めて転職したいと考えている人
- 化学業界がホワイトか気になる人
- 今後化学業界に就職しようと考えいる人
この記事を書いた人
もぐら夫
・夫婦でブログ運営
・国立大院化学系卒
・化学メーカー研究開発員
・2017年から勤務
・大学は有機材料系の研究
・仕事は高分子系の研究
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就職や転職を考える時期になっているはぜひ参考にしてみて下さい。
ホワイト業界の定義
化学業界がホワイトかどうかを説明する前に、そもそもホワイト業界の定義をしなければなりません。
厚生労働省は安全・健康で働きやすい職場をより増やしていく事を目的に、安全衛生優良企業として認定された企業を公表する制度を定めています。
認定されると、上図の「ホワイトマーク」と呼ばれる安全衛生優良企業マークがもらえます。
このマークがもらえている企業は少なくとも国のお墨付きでホワイト企業であると言えますね。
そしてそのホワイト企業が多い業界がホワイト業界になります。
その他、一般的な感覚として下記を満たす企業が多い業界はホワイト業界と言えます。
ホワイト業界の特徴
- 年収が一定水準以上
- 残業量が少ない
- 休暇がしっかり取れる
- 福利厚生が充実
- 女性も活躍
- 離職率が低い
以下、上記に沿って化学業界がホワイトなのかを解説していきます。
化学業界を現役化学メーカー勤務者が評価
年収が一定水準以上
dodaの調査によると、2020年の化学業界の平均年収は464万円で同調査の全業界平均409万円を大きく上回っております。
この結果からも年収の水準は高く、この基準を満たしていると言えます。
勤め先企業や、就いた職種にも依存しますが、
実体験や同じく化学メーカーへ就職した友人の話に基づけば、もっと収入は多い印象です。
残業量
vorkersの調査によれば6万人以上の調査で半数以上の人が残業時間が40時間/月を超えています。
残業量は業界だけでなく職種にも依存するので、業界全体でくくると多い少ないを判断するのが難しいです。
しかしその中でも化学業界は残業時間の短い業界と同サイトで紹介されています。
化学メーカーに勤める著者の友人は、残業が多い友人でも1ヶ月あたりで40時間は超えたことがないとのことです。
ちなみに著者の勤め先では、一月辺りの残業が30時間を超える場合は上司に申請が必要となります。
そのため著者は社会人になってから1度も残業時間が30時間を超えたことがありません。
著者の残業時間は平均すると20時間/月前後くらいです。
人によって感じ方は様々かと思いますが、著者は化学メーカーの労働時間は長くないと考えます。
休暇の取りやすさ
休暇の取りやすさは企業や職種に大きく依存するため、業界全体で考えた時に取りやすいかどうかの判断は難しくなります。
化学メーカーに限らず生産等の工場運転員の場合は当番制なので、事前に調整が必要な場合があります。
一方で研究開発等で客先納期が比較的長く設定されている場合は休みを取りやすいです。
それでも著者の経験や友人の話からすると、化学業界は休暇を取りやすいと感じています。
余談ですが著者の先輩で過去に28連休を取った人がいましたが、特に職場や上司から何か言われる事もなかったようです。
製品の生産手法や研究法がシステマチックになっているので、比較的休みたいときに休みを取れる業界だと考えられます。
福利厚生・離職率
これらの項目は企業毎に大きく異なります。
そのため、転職や就職を考える時は、気になっている企業毎にチェックしましょう。
女性活躍度
化学業界は女性の就労者が少ないです。
著者の職場男女比も4:1程度です。
しかし、これは女性が活躍していないという事ではありません。
職場でも女性管理職の方は何人もいます。
純粋に女性に人気がない業界というだけです。
化学業界評価まとめ
以上を総合すると、化学業界で勤務する著者の目から見ても化学業界はホワイト業界だと言えます。
化学業界がホワイトである理由と考察
化学業界がホワイト業界である理由は主に以下3つだと考察できます。
化学業界がホワイトな理由
参入障壁の高さ
需要がなくならない
高生産性
それぞれ考察していきます。
参入障壁の高さ
一般的に新興企業が現れると、価格競争や開発力競争となり、長時間働いたり、コストを抑えるため人件費を抑える必要が出てきます。
しかし化学業界は圧倒的に参入障壁が高く、その点での心配は少ないのです。
なぜなら化学品を生産・販売するためには①数百億円程度の設備投資と、②化学品を取り扱う高い専門性と③それに裏付けされた高い開発力の3つが必要になるからです。
よって、新規参入企業が少ない事で製品の値崩れが起きにくく、ホワイト業界を維持できているのだと考察できます。
需要があり絶対になくならない業界
参入障壁が高くても、業界自体の需要が小さくなれば(ビデオテープ、音楽聴くためのMD等)、収益が小さくなり、給料等にも影響が出てきます。
その点化学品は絶対に無くなりません。
なぜならこの世の物質は、iphoneも食品も雑貨も洋服もコスメも全て化学素材が使われているからです。
そのため、化学品の需要はなくならず、安定した収益がある事でホワイト業界になっていると考察できます。
生産性が高い
著者は化学メーカーに勤務しているので、材料のコスト構造を知る事が出来るのですが、内側から見ていても生産性は高いと感じます。
しかも、こんなに高く売ってるの?笑
お客さんが知ったら絶対値下げ要求されるやつだわ
詳細はお伝えする事ができませんが、生産性は高いと言ってよいです。
そして、生産性が高い分、従業員にも還元されてホワイトとなり易いのだと考察できます。
まとめ
今回は化学メーカーに勤め、化学業界で働く友人をたくさん持つ著者が、業界がホワイトかについて解説していきました。
結論として、下記理由により、ホワイト業界であると判断できます。
化学業界ホワイトポイント
年収が他業界より高い
残業量は他業界に比べて少ない
休みを取りやすい
化学業界への就職、転職を考えている人の参考になれば幸いです。
最後に改めて就職サイトをご紹介!