どの業界においても企業競争力の基盤には研究、開発、営業等があります。
その中で、研究職はどうやったらなれるのかイメージがつきにくいかと思います。
そこで、今回の記事では現役の化学メーカー研究員である著者が研究員になる方法を解説します。
この記事はこんな人におすすめ
- 研究員になりたい人
- 研究員の仕事に興味がある人
- 好奇心旺盛で研究者向けな人
この記事を書いた人
もぐら夫
・夫婦でブログ運営
・国立大院化学系卒
・化学メーカー研究開発員
・2017年から勤務
・大学は有機材料系の研究
・仕事は高分子系の研究
本編の前に20代の理系向けに特化した就職サイトやCMで話題のリクルートサイトをご紹介!
就職や転職を考える時期になっているはぜひ参考にしてみて下さい。
研究職で就職する方法
結論として、研究員になる方法は「研究したい専門分野の知識を身に着け、必要に応じた学歴を取得して、大学または国の研究機関もしくは企業に就職する」です。
著者の場合、企業に就職して研究員になりました。
研究員になる方法は分かっても、具体的にどんな資格をとって、どんなスキルを身に着ければよいかまだ分からないと思います。
そこで、以下では詳細についてご紹介します。
勉強と研究と開発の説明
まず研究員になる前に、勉強と研究と開発の違いを理解する必要があります。
学生時には多かれ少なかれ誰もが勉強をしますが、
「勉強」とは「すでに知られている情報を知識として吸収する事」です。
一方で研究とは「世界で初めて」を調査して、知識・知見を増やす事です。
つまり、研究員とは誰も知らない新しいことを見つけ出す人達の事です。
そして開発とは研究によって得られた知識・知見に基づいて新しいものを発明する事です。
新しいものを開発するためには研究が必要なため、企業等では研究開発(R&D:Research and Development)と呼ばれてセットになっている事が多いです。
研究員に求められる資格
実は研究員になるために必要な資格は特にありません。
ただし上述の通り学歴が求められる場合が多いです。
企業では研究員のほとんどがマスター(修士)以上の学歴です。
大学や国の研究機関で活動する研究員は基本的に最終学歴が全員ドクター(博士)です。
マスターやドクターがよくわからない人は下記記事を参考にしてください。
大学院(修士)って何?進学するメリットは?
皆さんは大学院をご存知ですか? 著者は大学の修士課程(大学院)を修了しております。 「修士課程って何??」となる人もいると思います。 実際に私の生まれ育った田舎では「大学院 ...
続きを見る
ちなみに経済的な理由で大学や大学院に進学が難しいと感じている人は、授業料免除制度や日本学生支援機構等で経済的な援助を受ける事ができます。
著者の実家はお世辞にも裕福とは言えませんが、両親の金銭的な支援と上記のような制度で大学院まで卒業する事ができました。
ですので、もし進学を経済的な理由であきらめようとしている人がいたらなら、一度考え直す事をおすすめします。
授業料については下記記事で具体的に紹介しています。
大学の学費は高い!対策は授業料免除申請で!【実例+参考例文あり】
研究者に求められるスキル
研究者としての基礎知識
具体的な研究者としての基礎知識とは下記等です。
研究者としての基礎知識
論理的思考術
専攻分野に求められる知識
専攻分野に求められる技能
研究員にとって論理的思考術は研究内容を問わず求められます。
日々の活動で、目的に対する仮説の立て方、仮説検証の仕方、実験結果解析の仕方等を論理的に考える必要があるからです。
知識、技能については、分野毎に細かく細分化されています。
著者の所属する化学業界内でも専門化学分野(有機、無機等)によって大きく異なります。
化学業界内でどのような分野があるかはまた別記事で紹介します。
知的好奇心の高さ
知的好奇心の高さは非常に重要です。
なぜなら、知的好奇心がなければ研究がつまらなくなり、続かなくなるからです。
著者の大学時代の先輩や先生は本当に研究が好きで、誰に強制されるわけでもなく朝早く*から日付が変わるまで毎日研究をしていたようです。
*著者は朝弱いため朝の正確な時間は不明
この話を聞いて、
と思った人、ご安心下さい。
現役研究員である著者も同意見です(笑)
もちろん寝食忘れる程の知的好奇心があった方が充実した活動ができ、研究の進みも良くなります。
しかし研究員だからと言って、それ程研究に没頭しなければいけないわけではありませんのでご安心を。
著者の友人や職場の同僚等にも同じ考えを持っている人がわりといます。
コミュニケーション力
研究者は部屋に閉じこもって実験ばかりするから、対人関係スキルはいらないと一般的に考えられる事もあります。
しかし、実際はかなりのコミュニケーション能力が求められます。
ここでいうコミュニケーション能力は下記を指しています。
研究者に求められるコミュ力
- パブリックスピーキング力(プレゼン力)
- 相手の意図を正しく理解する力
- 相手に正しく意図を理解してもらう力
- 語学力(主に英語)
- 誰とでも分け隔てなく接する力(表面上だけでOK)
上記の中で時々驚かれるのが、語学力です。
論文は基本的に英語だし、外国人とのミーティングは英語でする事が多いからね
これから研究員になろうと考えている人は、語学も頑張っておきましょう!
論文を読む分にはGoogle翻訳でごまかせますが、ミーティング等の会話はさすがにごまかしきれません。
ちなみに著者は英語がとても苦手なのですが、勉強してTOEIC380⇒620まで上がりました。
具体的な方法は下記の記事で紹介しております。
根性!
意外!と思う人もいるかもしれませんが、センスとかよりも根性が大事です。
研究はうまくいかない事の方が多いので、それでもめげずに進める根性が求められます。
ちなみに著者は不足スキルを根性でカバーしてピンチ(卒論、修論、納期等)を乗り越えてきました。
極論、少しの知的好奇心、コミュ力に加えて根性があれば研究員としての活動はある程度成立します。
まとめ
今回は現役化学メーカー勤務のサラリーマンが研究員になる方法を紹介しました。
研究員には「国、大学、企業等で働く」という方法でなれます。
そこで働くためには、必要に応じて、知識、技能、学歴が必要となります。
研究員を目指している皆さんの参考になれば幸いです。
最後に改めて就職サイトをご紹介!